対魔導学園35試験小隊 10巻 魔女狩り戦争(上)の感想とあらすじとネタバレ
今回は、今までの疑問に思っていたことがある程度判明した回でした。また鐵隼人という人間がよく分かった巻でした。 鐵隼人が人並みならぬ能力を持っており、「英雄の器」たりえることもわかりましたが、なぜそこまで自己犠牲的に世界を救うこと(=自分の法を守りきること)を選んだのかいまいちしっくりこない面もありましたが、それこそ英雄が英雄たるゆえんなのでしょうね。 隼人とタケルのバトルでは圧倒的に隼人の力が上回るものの、最後の最後の土壇場でタケルが奥義を発動する展開は、ちょっと・・・・でした。例えるならば、クイズ番組でラスト問題は得点は100点です!みたいな感じで誰でも最後の問題さえ解ければ勝ち!みたいに思ってしまいました。柳実先生ごめんなさい。まぁ主役なのでタケルが最後は勝つというのはなんとなくわかっていたんですけど(^_^;)。 何はともあれ詳細な感想とあらすじは以下を見てくださいね!
プロローグ
前巻の最後に妹であるキセキに兄妹ケンカを宣言したタケルはすぐに立ち直ることもできず、引きずっています。。「それはキセキの望みじゃなくて、お兄ちゃんの望み・・・だよね?という言葉が頭から離れません。。。ぼーっとしているタケルの元へ、元生徒会長であり、異端同盟のリーダーでもある星白流がきて、タケルを慰めます。ただ、いつまでもそうしているわけにもいかず、タケルにある指令(というかお願い?)を言います。 前異端同盟のリーダーであり、桜花の養父であった峰城和眞が死ぬ直前に、クリティカルポイント(ボーダーよりももっと奥にある、聖域に近い危険地域)に、鳳颯月のヒミツが書かれた文書を隠したようなので、それを回収してきてほしいとのこと。。。もちろん、タケル一人でではなく、35試験小隊で。 その際、流は、タケルの師匠である草薙オロチとマザーグースが今回の魔女狩り戦争に参戦することになったと伝えます。。オロチとマザーグースは「世界を書き換える」と言っていたとのこと。うーん、意味深ですね。。。
第一章 鐵
タイトルにあるとおり、鐵隼人の話です。 彼は今のところ、異端審問官として活動をしていますが、正直ちょっとよくわからないキャラですよね。。くそまじめなのか、あまり感情が表に出ないタイプなので。。。 さて、鐵は鳳颯月に呼び出しを受けてその帰り道。直属の部下である城ヶ崎衛と、姫宮居織が鐵隼人を待っていました。 会長(鳳颯月)から何を言われたのか気になっている様子。 隼人は淡々と、エグゼは一時他の部隊と統合されることを告げます。まあ、戦時下ですからね。。。城ヶ崎は少々ショックを受けますが、さらなるショックが。。。 隼人はしばらく本部から離れるので留守を頼むとのこと。。。。今まで謎が多かった鐵隼人がついに動き出します。 二人と別れた隼人を、もと第一殲機の隊員が颯月の指示で尾行していましたが、隼人にはバレバレです。第一殲機は人工のレリックイーターギロチンを使用している部隊だったのですが、隼人には手も足もでず。。。隼人はレリックイーターを使用せずに、返り討ちにしてしまいます。というか、いくらなんでも元仲間?なのですから殺すこともないかと思うんですが、そんな考えは甘いのでしょうね。。。 相手を殺す前に、誰からの指示かを聞き出す隼人。颯月の指示で、隼人にはメフィストフェレスの体を奪った容疑がかかっていると事。。。あとでわかりますが、これはその通りなんですよね~。 最後に一言「・・・・俺の目的は読まれている、ということか」と意味深なセリフを隼人はつぶやきます。。何でしょうね?隼人の目的って!!!
第二章 前へ進むために
タケルは、流にある場所に行くように言われます。そこに行けばリラックスできると。。。と指定された場所に行ってみると、なんとそこは対魔導学園内にあった35試験小隊の部屋がそのままあるじゃないですか。流が気を利かせて急造してくれたとのこと。会長やりますね!そこには35試験小隊の面々がいます。以前と変わらない空間にタケルは思わず涙してしまいます。 そして、タケルは今自分とキセキに間にある確執について素直に話します。自分の望みはキセキに生きて幸せになってほしいこと、対してキセキの願いはお兄ちゃんと心中する事。。。 迷うタケルに35試験小隊の面々(ラピスも)がタケルはもっと自分に自信を持てと言います。おせっかいやきで、自己中だけど、そのおかげでここにいるみんなが救われたんだと。そんなタケルだからこそ、みんな慕っていると。キセキに生きていればもっと幸せなことがあるんだとタケルが教えろと言います。タケルは仲間に感謝し、改めてキセキを救うことを決意します。 そんな試験小隊の部屋のそとで、京夜は礼を言おうと来ていたのですが、何とも入りづらくてそのまま帰ってしまいます。吉水明(クローン)も一緒に。 場面は変わって颯月とキセキが一緒に学園から外の景色を見ています。キセキはお兄ちゃんの愛なんていらないとも。そりゃそうですよね。。。(-_-;)、キセキの願いはお兄ちゃんに殺されてお兄ちゃんがその後死ぬことなんですカラ。うーん、歪んでいます。 で、颯月はレリックイーターの所在を全てわかるみたいなんですが、カリギュラを通して黒鉄の所在に気づいたようです。一言・・・さすがに踏み込みすぎだと。。。 2日後、いよいよ作戦決行の日。集合場所には京夜もいました。かれは一緒に行くと・・・ただ、その前にけじめをつけたいとも。そこでタケルは一発殴らせろと言います。OKという京夜に容赦ないタケルのこぶしが顔面に炸裂です。うーん、青春・・なのでしょうか?(^_^;)。 まあ、これであとくされなく、クリティカルポイントへ向けて出発です!
第三章 レッドグレア
タイトルにあるとおりレッドグレアこと桜花の養父峰城和眞の過去と鐵隼人との因縁が明らかになります。 隼人は、生前峰城が使っていた隠れ家に行きます。ボーダー近くの地下道にあるらしい部屋に行き、峰城が隼人に書いた伝言(遺言?)を読みます。そこには鳳颯月のヒミツをクリティカルポイントに隠したので真実をしりたければ、世界を敵に回しても己の法を曲げない自身があるならば行けと。。また、一緒にレリックイーターを颯月の監視から解き放つ液体もおいてあります。これは異世界のものみたいですが。 でここから回想シーンです。隼人がエグゼに入ったのは、自分のたぐいまれなる才能(決しておごり高ぶっているのではないです)をどう使うかについて、コイントスで正義のためとなったためとのこと。反対だったら悪事に身を投じようと思っていたみたいです。怖いですね(^_^;)。彼にとってはどちらも大して変わらないとのことでした。 で、そんな彼がエグゼに入った時の隊長が峰城でした。もともとたぐいまれなる才能「英雄の器」を持って生まれた隼人。どんどん成果をあげますが、峰城とはよくぶつかりました。 鐵は徹底した合理主義で目的のためには手段を問わず、その結果一般市民に犠牲が出ることも多々あり。峰城は隼人に心に法を持たない者は異端審問官の資格はないと言い放ちます。 それから、赤い蝶の虫籠事件を経て、隼人は峰城の思想に興味を持ち、彼の思想が最終的にはどうなるのか見届けたいと思うようになります。 ただ、そのころから峰城に異変があり、隼人は颯月より峰城を監視するように言われます。そんな事情を察してか、ある日峰城は隼人を呼び出し、エグゼを引退することを告げます。家族のために。。。隼人は自分たちを捨てて、反体制派に鞍替えかとつめますが、実態は本当に引退だったみたいですね。。家族のために。。 しかし、颯月のヒミツを知ってしまった峰城は後日颯月の謀略によって、殺されてしまいます。。。 その現場にあとから駆け付けた隼人は血だらけの桜花を見つけ保護します。。。 その後も、百鬼夜行となったキセキを捕獲するなど、大活躍ですね。。でも彼の中には己の法が構築されていったのでした。。 そんな回想シーンの中、隼人は着々とクリティカルポイントへ向けた準備をします。峰城が残した液体を使って、レリックイーターをコーティングし、颯月からも見えないように。。 颯月もそのことに気付いたようです。その際のセリフ「私の一部であるレリックイーター・・・」は意味深すぎですね。どうみても颯月は神ですよね!しかもかなり上位の創造神レベル。そうなるとやはりオーディーンが颯月の正体のような。。
第四章 臨界点
タケル達は、どうにかボーダー(境界線)内に侵入し、臨界点(クリティカルポイント)を目指します。やっとのことで峰城和眞が颯月のヒミツを隠した建物を見つけそこにいくと、なんと先約が。。。鐵隼人が先に峰城の文書を回収したところでした。隼人と対峙する35試験小隊の面々。一触即発の場面に、城ヶ崎(隼人の後輩)が、新生エグゼを率いて乱入してきます。そこで、タケルも隼人がもはやエグゼではないことを聞きます。また、隼人や城ヶ崎が以前の35試験小隊の隊長だったことも。。。 城ヶ崎が峰城の文書をもって、逃走を図ったことから隼人とタケルは城ヶ崎を負うことに。他のメンバーも追おうとしましたが、エグゼのもう一人姫宮居織が遠方より狙撃しそれを阻止します。彼女はスナイパーだったんですね。姫宮居織の扱うのは妲己というステルス戦闘機のようなレリックイーターで空間の微妙な魔力も感知する能力があり、うさぎと斑鳩は苦戦を強いられますが、ウサギが機転を利かせて撃退。姫宮居織はターゲットを変えて、鐵と城ヶ崎を負った桜花を負います。妲己で空を飛んで。 姫宮居織と桜花が交戦に入ると、たちまち桜花が追い詰められます。そこにマリが追いつき、二人で共闘して居織に立ち向かいます。
第五章 エグゼ
タケルは一人で城ヶ崎と隼人を追っていますが、ここはクリティカルポイント。刻々と周りの状況が変異していき、もうすぐ聖域に飲まれる気配が。。。 場面は変わって、異端審問会の鳳颯月は、襲撃チームとは別に監視チームもクリティカルポイントに送り込んでおり、状況の報告を受けています。颯月としては何としても自分の秘密を知られたくないのですが、報告によると城ヶ崎は文書の中身を読んでいるとのこと。。。 もともと、颯月としてはこの作戦に参加した人間は皆殺しにする予定だったみたいで問題ないみたいですが。こいつホント下種ですね~。 城ヶ崎は隼人に投降するように説得しますが、隼人は鳳颯月は自分の法の範囲を超えた、また、法を犯した以上、許すことはできないと明言。 本巻でのキーフレーズは、「己のうちにある法」ですかね。。。(^_^;)。 結局隼人と城ヶ崎は戦うことになりますが、隼人に勝てるわけもなく、城ヶ崎は完敗します。戦闘不能になり、意気消沈する城ヶ崎ですが、突如彼のレリックイーターであるヘリオガバルスが暴走し、城ヶ崎を殺します。そこには鬼畜な鳳颯月の影が。。すべてのレリックイーターは鳳颯月の「一部」であり、彼が主導権を持っていることから、こういうことができるんですよね。激怒する隼人。。。 他方、桜花とマリは姫宮居織と交戦していますが、妲己はかなり強敵でなかなか攻めきれず逆にピンチに。。。そんなとき、うさぎが超長距離からの援護射撃(妲己の魔力検地範囲外からの射撃)で妲己と姫宮居織を屠ります。姫宮居織の戦闘不能になったところをまたしても鳳颯月が妲己を暴走させて姫宮居織も殺します。。。
最終章 我が法は揺るがず
タケルはやっと隼人たちに追いつきますが、既に隼人と城ヶ崎の戦いは終わっており、そこには城ヶ崎の亡骸が。隼人はタケルになぜ戦うのかを尋ねます。タケルは仲間のために戦うと。自分が救われないと仲間も救われない。そのためには颯月も殺すと明言します。それを聞いて隼人はタケルと戦って、言うことを聞かせることを決意します。 二人は戦闘に入りますが、まさに大人と子供レベルで実力に差があり、タケルがヤラレソウになる直前、京夜の奇襲でどうにかしのぎます。しかし、それでも隼人は本気を出していなかったんです。 隼人の本気にタケル、京夜の2人がかりでも足元にも及ばず。タケルはそれでも己を曲げずに、隼人に挑み続けます。もはや神狩り化するしかないという場面で、タケルはさらに力を望み、掃魔刀(肉体の反応速度を劇的に上げる草薙諸刃流の技)を越えるスピードを手に入れます。奇しくもこの技はタケルの師匠が考案した奥義(クサナギノツルギ)だったんです。 一瞬であれ、タケルが隼人の力を上回り、隼人に重傷を負わせることに成功。 隼人としても想定外で、自分の負けを認めて、峰城の文書と、メフィストフェレスの肉体の隠し場所の地図を渡します。そして、タケルとラピス、そして35試験小隊の面々ならば、世界を破滅に導くのを止めることができるかもと思います。。。
峰城の文書の中身。。。これは驚愕の内容でした。 この世界は神々の世界との衝突によって生まれた世界であること。そのときから魔導が生まれたこと。魔導のある世界では神がいないと維持できないこと。 そして、鳳颯月は神であること。。。 よって、神殺しの剣を人ならざるものと契約させてはならない。。。と。。
エピローグ
平和な町に突如として転移してきた者たち。 その者達は、人間に対して攻撃を開始します。 その中には、マザーグースやホーンテッドの姿が。。 そして、遂にキセキも戦争に投入されることに。。本人の意志によって。
今回はここまでです。
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